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俳優コラム

第6回 成原佑太郎コラム『期限があるとき、人は何を選ぶのか。ビザはまるで、余命宣告だった』

【English Version is here】
第6回コラム英語版はこちら!

「人生は一度きりだから、やりたいことをやろう」

きっと、誰でも一度は聞いたことのある言葉だと思う。
もちろんやりたいことだけで生きることができたら、それが一番いいに決まっている。

しかし最近になって、その言葉は正しいように聞こえる一方で、すごく難しいとも思うようになった。
なぜなら、人生は長いからだ。

人生は一度きりだと言われても、その「一度」が長すぎると、今日一日をどう使うべきかまでは見えてこない。
その一方で、「もし明日死ぬとしたら何をする?」という問いもある。これも考え方としては分かる。

長すぎて見えない未来と、急すぎて想像できない明日。 その間の、実感を持って考えられる時間の長さはどこにあるのか。最近はそんなことを考えていた。

最初からわかっていたカナダでの『期限』

第6回 成原佑太郎コラム

カナダで暮らすにあたって、一番大きな壁は『ビザの期限』だ。 僕のビザ問題は、最近急に出てきたものではない。
カナダに来る前から、ずっとわかっていたことだ。

ただ最近は、その期限を単なる不安材料として見るのではなく、自分の時間を見直すきっかけとして捉えるようになってきた。

このままカナダに残れるのか。
それとも日本に帰ることになるのか。

今の時点ではわからない。 ただ、その不確定さも含めて、「少なくともここまでは今の自分に与えられている時間なんだ」と考えれば、不思議と見えてくるものがある。

今やりたいことは何か。
今やるべきことは何か。
今やるべきではないことは何か。

期限があると、人は急に優先順位を考え始める。 僕はその感覚を、自分のビザを通して少しずつ実感するようになった。

余命宣告のように考える

第6回 成原佑太郎コラム

少し強い言い方かもしれないが、この感覚は『余命宣告』に似ているのかもしれない。

もちろん病気にかかったわけでもなければ、明日死ぬ予定でもない。 しかし人は、終わりが見えた時に初めて、本当にやりたいことを具体的に考え始めるのではないだろうか。

決してやりたいことだけではない。やらなくていいこと、なんとなく続けていたこと、ただ時間を流していたことも、ギリギリになってようやく見えてくる。

仮に余命を宣告されたとして、「じゃあ死ぬまでは適当に過ごそう」とは思わないだろう。

「どうせなら、自分がやりたいことをやって終わりたい」と思う人が多いのではないだろうか。

そして仮に、その先も生きられる時間が増えたなら、それはただの延命ではなく、「もう少しやりたいことができる時間が増えた」ということになる。

最近は自分のビザの期限を考えると、そういった感覚を持つことがわかった。
カナダに残れるかどうかは、もちろん大事である。

しかしそれ以上に、今の自分が何をやりたいのかに全力を注ぐことが大事になってきたと思う。

どんな未来でも、納得できるように

成原佑太郎(本人提供)

以前の自分は、「カナダにいる間に結果を出さなければ」という思いに強く引っ張られていた。

ただ最近は、それだけではないと思うようになった。

もし最終的に日本に帰ることになったとしても、目に見える結果が出なかったとしても、その日までに自分が本当にやりたいことをやれていたなら、その時間の使い方には納得できる気がする。

逆になんとなく時間が過ぎて、気づいた時には期限が迫っている状態の方が怖い。

だからこそ最近は、以前より時間の使い方を意識するようになった。

まだ全然できているわけでもないので、もちろん偉そうに言える立場でもない。

それでも意識は変わったと胸を張って言える。

この時間は、本当に自分が使いたい時間なのか。
今やっていることは、どんな未来になっても自分の中に残るものなのか。

そういうことを少し真面目に考えるようになった。

誰もが『期限の中』に生きている

第6回 成原佑太郎コラム

僕は、決してこの話がビザの期限がある人だけの話ではないと思っている。

人はみな、何かしらの期限を借りながら生きている。

それは年齢かもしれないし、仕事の締切や家族の事情かもしれない。
30歳までに…40歳までに…今年中に…。

このように期限があると、自分の本音が少し見えやすくなるのではないだろうか。

本当は何をしたいのか。
何をやりたくないのか。
何に時間を使いたいのか。

人生は長いからこそ、ただ「やりたいことをやろう」と思うだけではぼやけてしまう。
自分なりの期限を持つことには、きっと大きな意味がある。

カナダに残るか。
日本に帰るか。

今の自分にとって大事なのは、その結果よりもその日までに何をやるかだ。 もしカナダに残れたなら、それは「もう少しやりたいことができる時間が増えた」ということだろう。

だとすれば、そこからまたやりたいことをやればいい。 だからこそ、自分なりの期限を持ってやりたいことをやっていく。

少なくとも今の僕は、そう考え始めている。

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